AES-GCM暗号の仕組みをわかりやすく解説:用語や概念を簡単に理解しよう

暗号と認証

AES-GCM(Advanced Encryption Standard – Galois/Counter Mode)は、暗号化技術の中でも非常に広く使用されているアルゴリズムです。これを理解するためには、いくつかの重要な概念を把握する必要があります。今回は、AES-GCMの仕組みやその重要な用語について、初心者にもわかりやすく解説します。

AES-GCMとは?

AES-GCMは、データの暗号化と認証を一度に行うことができる暗号化モードです。「AES」は、データを暗号化するためのアルゴリズムで、「GCM」はそのモードを指します。GCMは、暗号化とともに、メッセージ認証コード(MAC)を生成し、データが改ざんされていないかを確認することができます。

AES自体は、公開鍵暗号方式の一種で、共通鍵を使用してデータを暗号化・復号化します。AES-GCMは、このAESアルゴリズムに認証機能を加えたものです。

AES-GCMで使われる用語

AES-GCMを理解するためには、いくつかの重要な用語を知っておく必要があります。以下の用語について簡単に説明します。

  • 平文(Plaintext):暗号化されていない元のデータのことです。例えば、送信するメッセージやファイルが平文です。
  • 暗号文(Ciphertext):平文を暗号化した後のデータです。これが第三者に漏れても、復号化しない限り内容を理解することはできません。
  • IV(Initialization Vector):暗号化を行う際に使用されるランダムな値で、同じ平文でも毎回異なる暗号文を生成するために使われます。IVは通常、Base64でエンコードされることが多いです。
  • 認証タグ(Authentication Tag):GCMモードでは、データの整合性を確認するために認証タグが生成されます。これは、データが改ざんされていないかを確認するために使用されます。

AES-GCMの動作の流れ

AES-GCMは、以下のような流れで暗号化と認証を行います。

  1. まず、平文と一緒にIVがAES-GCMに渡されます。
  2. AES-GCMは、共通鍵を使って平文を暗号化し、同時に認証タグを生成します。
  3. 認証タグは、メッセージが改ざんされていないことを確認するために使用されます。
  4. 最終的に、暗号文(暗号化されたデータ)と認証タグが送信されます。

受信側では、暗号文と認証タグを受け取った後、共通鍵を使って復号化し、認証タグを確認することでデータの整合性をチェックします。

AES-GCMの特徴と利点

AES-GCMには、いくつかの優れた特徴があります。

  • 暗号化と認証を同時に行う:別々に暗号化と認証を行う必要がなく、処理が効率的です。
  • 高いセキュリティ:GCMモードは、強力な認証機能を提供し、改ざんされたデータを検出する能力があります。
  • パフォーマンス:AES-GCMは高速で、特にハードウェアアクセラレーションに対応しているため、大量のデータを暗号化する際に効率的です。

まとめ

AES-GCMは、暗号化と認証を同時に行う強力で効率的な暗号モードです。平文、IV、認証タグといった用語を理解することで、その仕組みをより深く理解できるようになります。AES-GCMは、セキュリティが非常に重要なシーンで使用され、データの機密性と整合性を保つために広く利用されています。

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