Windows 10および11では、シャットダウン後に開いていたファイルやフォルダが復元されることがあります。しかし、毎回そのような状態になるわけではなく、時々復元される場合もあれば、完全に閉じられていることもあります。この記事では、なぜこのようなことが起きるのか、またその設定方法について解説します。
1. Windowsの「高速スタートアップ」とは
Windows 10と11には「高速スタートアップ」という機能があり、これがシャットダウン時の状態を部分的に保持することに関係しています。この機能は、PCがシャットダウンする際にシステム状態を部分的に保存し、次回の起動時にその状態から素早く復帰することができます。
高速スタートアップを有効にすると、前回開いていたファイルやフォルダが復元されることがあります。これにより、ユーザーはPCを再起動しても、作業をすぐに再開することができるのです。
2. 高速スタートアップが原因で発生する問題
ただし、すべてのシステムで高速スタートアップが適切に動作するわけではありません。時々、高速スタートアップが不安定な状態を引き起こし、前回の状態が復元されないことがあります。また、シャットダウンではなく「再起動」を選択した場合、前回の状態が復元されないこともあります。
さらに、特定のソフトウェアやハードウェアの設定によっても、この挙動は異なる場合があります。例えば、外部ドライブが接続されている場合や、特定のアプリケーションがバックグラウンドで動作していると、復元が正しく行われないことがあります。
3. 高速スタートアップの設定と管理方法
高速スタートアップが原因で不具合が生じている場合、設定を変更することで解決できる場合があります。高速スタートアップを無効にするには、以下の手順を実行します。
- 「コントロールパネル」を開く
- 「電源オプション」を選択
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」を選択
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
これにより、PCをシャットダウンするたびに、前回の状態は復元されなくなり、通常のシャットダウンが行われます。
4. Windowsの「アプリケーションの復元」機能
また、Windowsには「アプリケーションの復元」機能もあります。これにより、シャットダウン時に開いていたアプリケーションが次回起動時に復元されることがあります。この機能は、特にマルチタスクを頻繁に行うユーザーにとって便利です。
アプリケーションの復元が有効になっている場合、前回の作業状態がすぐに再現されるため、PCを再起動しても作業の中断が最小限に抑えられます。これも高速スタートアップと同様に、設定を調整することで有効・無効を切り替えることができます。
5. まとめと実際の対応方法
Windows 10および11で「前回の状態が復元される」かどうかは、高速スタートアップとアプリケーション復元機能の設定に大きく依存しています。高速スタートアップを無効にすることで、復元の挙動を安定させることができ、PCの再起動後に前回の状態が復元されない場合の問題を解決できます。
また、特定のアプリケーションやドライブ接続状況により、復元が正常に行われないこともあるため、設定やハードウェア環境に合わせて調整することが重要です。問題が続く場合は、OSのアップデートや設定の再確認を行うことをおすすめします。
コメント