RAID構成を選択する際、データの冗長性やパフォーマンスに関して多くの選択肢があり、どの構成が最適かを決めるのは重要です。特に、NAS(ネットワーク接続ストレージ)を使用している場合、データ保護のためにどのRAIDを選択するかは重要な決定です。この記事では、RAIDの選択肢とSynology NASのストレージプールに関する疑問に対して、解説します。
RAIDとは?種類とその特徴
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のハードディスクドライブを組み合わせて、データの冗長性やパフォーマンスを向上させる技術です。RAIDの構成にはいくつかの種類がありますが、主に以下のようなものがあります。
- RAID 0(ストライピング):データを複数のディスクに分散して書き込むことでパフォーマンスを向上させます。ただし、冗長性がなく、1台のディスクが故障するとすべてのデータが失われます。
- RAID 1(ミラーリング):データを2台のディスクに同時に書き込むことで冗長性を確保します。1台が故障しても、もう1台にデータが残るため、安全性が高いです。
- RAID 5(パリティ付き):3台以上のディスクを使用し、データとパリティ(誤り訂正情報)を分散して格納します。1台のディスクが故障してもデータを復元できます。
- RAID 6(ダブルパリティ):RAID 5と似ていますが、2台のディスクが故障してもデータを復元できます。
RAID 0のメリットとデメリット
質問者が使用しているRAID 0は、パフォーマンスを最大化するためにデータを分散して保存する方式ですが、冗長性がありません。RAID 0では、1台のディスクが故障するとすべてのデータが失われてしまいます。そのため、重要なデータを保存する場合は、RAID 1やRAID 5など、冗長性のあるRAIDを検討する方が良いでしょう。
RAID 0は、主にパフォーマンスを重視する場合に選ばれますが、データ保護が不十分なため、バックアップや外部ストレージの活用が不可欠です。
RAID 1やRAID 5を選ぶ理由
RAID 1(ミラーリング)は、2台のディスクに同じデータを保存する方式で、1台のディスクが故障してもデータが失われません。RAID 5(パリティ付き)は、複数のディスクを使って冗長性を確保し、1台のディスクが故障してもデータを復元できます。これらのRAIDは、データ保護を重視するユーザーにとっておすすめです。
特にRAID 5は、複数のディスクを使用するため、RAID 1に比べて効率的にディスク容量を活用できます。データ保護とパフォーマンスのバランスを取りたい場合、RAID 5が最適な選択肢となるでしょう。
Synology NASのストレージプールと非純正ハードディスクの問題
質問者が遭遇している「純正のハードディスクを使わないとストレージプールが使えない」という問題は、SynologyのNASにおける特有の仕様によるものです。Synologyでは、純正ハードディスクを使用することで、公式にサポートされたストレージプールの機能が利用可能になります。これには、ディスクの故障時にデータ復旧機能やパフォーマンス最適化が含まれます。
非純正のハードディスクを使用すると、これらの機能が利用できない場合があり、データ保護やパフォーマンス面で制約が生じる可能性があります。ストレージプールの安定性や機能性を重視する場合は、Synology製のハードディスクを使用することが推奨されます。
まとめ
RAIDの選択は、パフォーマンスとデータ保護のバランスを取るために非常に重要です。RAID 0は高速ですが、冗長性がなく、1台のディスクが故障するとすべてのデータが失われます。RAID 1やRAID 5は、データ保護を重視する場合に適しています。
また、Synology NASでストレージプールを使う場合、純正のハードディスクを使用することで、安定性や機能性を最大限に活用できます。データ保護やパフォーマンスを重視し、信頼性の高いストレージ環境を構築するためには、純正ディスクの使用が推奨されます。
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