Adobe Illustratorを使用してモノクロデータを作成する際に、グレースケールオブジェクトが赤茶色に変わってしまう問題があります。この現象は、設定ミスやカラーマネジメントの問題によって発生することが多いです。この記事では、Illustratorでグレースケールが赤茶色に変わる原因と、その解決方法を詳しく解説します。
赤茶色に変わる原因と一般的な解決方法
Adobe Illustratorでグレースケールを使用している場合、RGB設定やカラーマネジメントが影響を与えることがあります。特に、カラープロファイルや色空間設定が適切でない場合、RGBからCMYKへの変換時に色味が変わることが多いです。
「ブラックのアピアランス」設定で「すべてのブラックを正確に表示」にしている場合でも、モニターで見る色と実際の印刷色が異なることがあります。これを解決するためには、カラープロファイルの設定を見直すことが必要です。
RGBからCMYKへの変換の問題
Illustratorでは、RGBで作成したデザインを印刷用に出力する場合、CMYKに変換されることが一般的です。しかし、この変換がうまくいかないと、色味が変わることがあります。特に、赤茶色に見える問題は、CMYKに変換された際の色空間の違いから発生します。
解決策として、最初からCMYKモードで作業を行うか、印刷用の設定を適切に行う必要があります。
カラーマネジメント設定を確認する
Illustratorの「環境設定」からカラーマネジメントを確認し、適切なカラープロファイルを使用することで、色の変化を最小限に抑えることができます。特に、デザインの用途に応じたカラープロファイル(RGBの場合はAdobe RGB、印刷の場合はU.S. Web Coated SWOP)を選択します。
さらに、Illustratorのカラープロファイルの設定を「実際のカラープロファイルに従って表示」に設定することで、より正確に色を管理できます。
グラデーションの問題
グラデーションが原因で赤茶色に見える場合もあります。グラデーションの中にRGBやCMYKの色空間が混在していると、予期しない色の変化が起こることがあります。この場合、グラデーションの色設定を確認し、RGBとCMYKの色空間を一致させることが重要です。
グラデーションを設定する際は、カラーピッカーを使ってCMYKの値を直接入力するか、プリセットから適切な色を選んで使用しましょう。
PDF書き出し時の設定
PDF書き出し時に「雑誌広告送稿用」などのプリセットを選択しても、完全には改善しないことがあります。PDF書き出しの際は、カラー設定を「RGB」または「CMYK」に適切に設定し、画像の圧縮設定を見直すことが必要です。
特に「PDF/X-1a」や「PDF/X-4」など、印刷用のPDFプリセットを選ぶことで、色の再現性が向上します。
まとめ
Illustratorでグレースケールが赤茶色に変わる問題は、カラープロファイルや色空間設定が適切でないことが原因です。RGBからCMYKへの変換時に色の変化が発生するため、最初からCMYKで作業するか、カラーマネジメント設定を適切に行うことが重要です。また、グラデーションの設定やPDF書き出し時の設定も見直すことで、色の再現性を改善できます。

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