ゼロトラストネットワーク(ZTNA)は、企業のセキュリティポリシーを強化するための重要なアプローチですが、ZscalerのサービスであるZPA(Zscaler Private Access)とZIA(Zscaler Internet Access)におけるゼロトラストの適用範囲については、混乱が生じることがあります。特に、ZPAとZIAがどのようにゼロトラスト環境に対応しているのか、どこまでを「ゼロトラスト対象」と言えるのかが疑問に感じることがあります。
1. ZPAとZIAのゼロトラストネットワーク(ZTNA)の対応範囲
ZscalerのZPAとZIAはどちらもゼロトラストネットワークを支える重要なコンポーネントです。ZPAは、社内アプリケーションに対するアクセスを制御し、アプリケーションとユーザーを直接結びつけることなく、安全に接続を提供します。一方、ZIAはインターネット接続を通じて、Webサービスやクラウドベースのアプリケーションに対するアクセスを管理します。
したがって、ZPAとZIAは、共にゼロトラストの考え方に基づいており、それぞれが異なる種類の接続に対してアクセス制御を提供しています。
2. ゼロトラスト対象とするべきWebサイトの範囲
質問者が述べたように、ZPAの対象としてWebサイトAを設定し、ZIAを使ってWebサイトBにアクセスする場合、どちらがゼロトラスト対象に含まれるのかという疑問が生じます。基本的には、ZPAを使って内部ネットワークのアプリケーションへアクセスする際は、ゼロトラストの考え方が適用されます。一方で、ZIAによるインターネットアクセスにおいても、WebサイトBに対するアクセスはゼロトラストの方針に基づいて管理されています。
そのため、質問のケースではWebサイトAとWebサイトBの両方がゼロトラスト対象として扱われると考えることができます。Zscalerの全体的なセキュリティポリシーは、ゼロトラストの枠組みの中で一貫して適用されます。
3. ZPAとZIAがゼロトラスト環境をどのように提供するか
ZscalerのZPAとZIAは、ゼロトラストポリシーを適用するために異なるアプローチを取ります。ZPAはユーザーのアイデンティティとデバイスのセキュリティ状態を確認し、アプリケーションレベルでのアクセス制御を提供します。これにより、許可されたユーザーとデバイスだけがアプリケーションにアクセスできるようにします。
一方、ZIAはインターネットトラフィックの監視と制御を行い、ユーザーのアクセス要求をセキュアに保護します。これにより、ユーザーがWebサイトやクラウドサービスにアクセスする際のリスクを最小限に抑えることができます。
4. ゼロトラスト環境からアクセス認証を行った場合の対応
ゼロトラスト環境では、アクセスの認証が常に行われます。ZscalerのZPAやZIAでは、ユーザーの認証を経てアクセスが許可されるため、アクセスするWebサイトやアプリケーションがゼロトラストの対象となります。質問者が述べたように、ZCC(Zscaler Cloud Connector)を経由して認証が完了している場合、WebサイトAとWebサイトBの両方がゼロトラストの対策対象として扱われることになります。
したがって、ZPAとZIAを利用してアクセスしているすべてのサービスやアプリケーションは、ゼロトラスト環境の一部として対応されることになります。
5. まとめ
Zscalerにおけるゼロトラストネットワーク(ZTNA)では、ZPAとZIAの両方が重要な役割を果たします。ZPAは社内アプリケーションへのアクセスを、安全に管理し、ZIAはインターネット接続を通じたアクセスを制御します。どちらもゼロトラストのアプローチを実現するために設計されており、ユーザー認証を経てアクセスするすべてのWebサイトやアプリケーションはゼロトラスト対象として扱われます。


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