インターネット黎明期、Windows95や98の時代には現在のようにYouTubeやSpotifyが存在せず、ユーザー同士が直接ファイルをやり取りする「P2Pファイル共有ツール」が大流行しました。当時はまるでMS-DOSのような黒い画面やシンプルなUIで、世界中の音楽や映像、画像を検索してダウンロードできる仕組みが多くのユーザーに衝撃を与えました。この記事では、その代表的なサービスを振り返ります。
代表的なP2P共有ソフト
最も有名なのは1999年に登場したNapster(ナップスター)です。音楽ファイル(主にMP3)の交換に特化しており、世界中で爆発的に普及しました。しかし著作権問題により2001年にサービス停止となり、その後は有料配信サービスとして姿を変えました。
もうひとつ忘れられないのがWinMX(ウィンエムエックス)です。こちらは音楽だけでなく、動画や画像など幅広いファイルをやり取りでき、日本でも非常に人気がありました。黒背景のシンプルなUIやチャットルーム機能が特徴的で、「世界中とつながる」感覚を楽しめるソフトでした。
なぜ人気があったのか
当時はまだブロードバンド回線が普及し始めた頃で、音楽CDや映像作品を気軽にオンラインで共有できる環境は画期的でした。特に海外の音楽や手に入れにくい映像を自由にダウンロードできることから、多くの若者を中心に支持を集めました。
また、操作方法がシンプルで「検索→ダウンロード」という流れで利用できたため、パソコン初心者でも扱いやすかったのも魅力のひとつです。
規制とその後
しかし当然ながら、これらのサービスは著作権侵害の温床ともなり、多くの訴訟や規制の対象となりました。Napsterは法的措置により閉鎖、WinMXも開発停止となり徐々に姿を消しました。その後はBitTorrentなど新しい技術に移り変わっていきますが、同時に合法的な配信サービス(iTunes、YouTube、Spotifyなど)が台頭し、現在のオンラインメディア消費の形につながっています。
まとめ
Windows95や98の時代に流行した「黒画面風の共有ツール」は、代表的にはNapsterやWinMXを指すことが多いです。これらは当時のユーザーにとって革命的な存在であり、今日の動画・音楽配信サービスの先駆けとも言える存在でした。懐かしのP2P文化を振り返ると、インターネット史の転換点を体感できるでしょう。


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