Word文書をPDF化した際に「意図したフォントが反映されない」というトラブルは少なくありません。特に「Noto Serif JP Black」のような日本語フォントで起こりやすく、業務や学術資料の仕上がりに影響するため注意が必要です。この記事では、なぜフォントが変わってしまうのか、その原因と解決策を整理して解説します。
PDF化でフォントが変わってしまう主な原因
Wordで作成した文書をPDF化するときにフォントが変わってしまうのは、大きく分けて以下の理由が考えられます。
- フォントの埋め込み制限:一部のフォントはライセンスや技術仕様により、PDFへの完全埋め込みが制限されています。
- PC環境依存:自分のPCにインストールされていない、またはOS標準でサポートされないフォントは置き換えられる可能性があります。
- 保存形式の違い:「名前を付けて保存」と「エクスポート」ではフォントの処理が異なるため、設定を誤ると別フォントに置き換えられます。
特にGoogleが提供するNotoフォントは幅広く対応していますが、Blackなど一部スタイルは環境によってPDF出力に反映されにくいケースがあります。
フォントを変えずにPDF化するための設定
フォントを保持するには、Word側で以下の設定を確認しましょう。
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」→ファイルにフォントを埋め込むにチェックを入れる
- 「共通システムフォントを埋め込まない」のチェックは外す
- 「名前を付けて保存」で「PDF」を選ぶ際に、最適化を[標準(オンライン発行および印刷)]にする
また、プリンタードライバーを利用した「印刷→Microsoft Print to PDF」よりも「エクスポート」機能の方が埋め込みに成功しやすいです。
埋め込みができない場合の代替策
どうしてもフォントが置き換わってしまう場合には、以下の代替方法を検討しましょう。
1. フォントを画像化する:該当部分を画像に変換して挿入すればフォント崩れを回避できます。
2. 代替フォントを使用する:Noto Serif JP Blackの代わりに、埋め込み対応が確実な源ノ明朝(Source Han Serif)などを利用する方法もあります。
3. PDF編集ソフトを活用:Adobe Acrobatなどでフォントの埋め込みを強制的に行うことも可能です。
実際のトラブル事例
例えば学会提出用の論文で、本文は正しく出力されても見出しの「Noto Serif JP Black」だけがゴシック体に置き換わってしまったというケースがありました。この場合、エクスポートではなく「印刷」機能を使っていたことが原因で、保存方法を変更することで解決しています。
まとめ
WordでPDF化したときにフォントが変わってしまう原因は、フォントの埋め込み制限や保存方法にあります。まずはWordの「フォント埋め込み」設定を確認し、PDF化の際には必ず「エクスポート」機能を利用しましょう。それでも解決できない場合は、画像化や代替フォントを検討するのが現実的です。正しい手順を理解すれば、見栄えを崩さずに安心してPDFを作成できます。


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